土地家屋調査士とは、
土地や建物などの表題登記の申請業務を、
専門に行っている士業のことです。
士業には、土地家屋調査士以外にも、
弁護士、税理士、司法書士、行政書士など、
その他にもいろいろとあります。
そして、それぞれの士業は、
それぞれの範囲の業務を専門に行っているのです。
おおざっぱに言いますと、
紛争などがある場合には、弁護士で、
税が関係する場合には、税理士が専門となります。
市区町村などの役所に対する申請などは、
行政書士が広範囲に対応しているのですが、
裁判所と税務署、法務局に対してする申請については対応していません。
そして、法務局に対してする申請については、
司法書士と、土地家屋調査士が専門に行っているのです。
つまり、書類の提出先が、法務局ということでしたら、
その書類の作成や提出などの業務については、
司法書士か、土地家屋調査士が専門業者、ということになります。
では、司法書士と土地家屋調査士では、
何がどう違うのか?
まず、司法書士は、法務局に対してする申請の内、
権利に関係する範囲を、業務として行っています。
権利に関係する範囲とは、
所有権の登記や、担保設定などの抵当権の登記、
所有権移転登記や、抵当権抹消の登記などのことです。
そして、土地家屋調査士は、法務局に対して行う申請の内、
表題に関係する範囲を、業務として行っています。
表題に関係する範囲とは、
土地の表題登記、土地分筆登記、土地合筆登記、
建物表題登記、建物表題変更登記、建物滅失登記などのことで、
いずれも、土地や建物の顔とも言える部分の登記のことです。
これらの内、建物表題登記とは、建物の所在地や、建物の種類、
建物の構造、床面積、所有者の住所氏名などを、
法務局に対して申請する登記のことです。
建物を新築した場合には、建物が完成してから1ヶ月以内に、
この建物表題登記を申請する義務が、
新築した建物の所有者に課せられています。
逆に、建物滅失登記とは、法務局に対して申請していた建物が、
取り壊しや、解体、焼失などによって滅失した場合に、
法務局に対して申請する登記のことです。
この滅失登記についても、建物表題登記と同じように、
建物が滅失してから1ヶ月以内に、
建物滅失登記を、法務局に対して申請しなければなりません。
そして、土地家屋調査士は、建物の登記だけで言うと、
この建物表題登記や、建物滅失登記の申請を、
所有者に代理して、法務局に対して行ってくれる専門業者と言えるのです。
よく間違えやすいのが、登記に関係するものは法務局だから、
司法書士に頼むと良い、と勘違いすることです。
建物表題登記や、建物滅失登記については、
司法書士では、代理業務として行うことができません。
もちろん、登記に関係することについては、
司法書士でも話は聞いてもらえるでしょうが、
建物滅失登記の申請を、実際に、所有者の代理人となって申請できるのは、
土地家屋調査士だけなのです。