この記事の監修者

土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:建物滅失登記など表示に関する登記全般。

経歴:開業以来21年間、滅失登記など登記に関する業務を行っています。
土地家屋調査士のプロフィールはこちら

建物の滅失登記の費用については、
自分ですべて行う場合と、
土地家屋調査士にすべて依頼する場合とで大きく違います。

まず、自分ですべて行う場合の費用としては、
法務局で、建物の登記情報を調べるための費用と、
法務局が遠ければ、そこまでの往復の交通費程度です。

滅失登記には、登録免許税はかかりませんので、
申請時にそれらの税を支払う必要もありません。

ただ、最初に法務局で登記情報を調べてから、
自宅で滅失登記の申請書類を作成して、
再度、法務局に申請書類を提出しに行くということになります。

もし、法務局に行くのが面倒な場合には、
すべてを郵送で進める方法もありますが、
切手代や書留代などの送料がかかります。

以上が、滅失登記申請を自分ですべて行う場合の費用となります。
まとめますと、建物の登記情報を調べる費用1000円程度と、
法務局に行く交通費の実費、または郵送代の実費です。

スポンサーリンク

次に、滅失登記のための登記情報の調査や、
登記申請書類の作成~提出~完了証の受け取りなどを、
土地家屋調査士にすべて依頼した場合の費用です。

ただ、土地家屋調査士に依頼した場合には、
費用の相場というものがあります。

同じ建物の滅失登記の申請手続きであったとしても、
土地家屋調査士事務所によって、
その費用に多少はばらつきがあるということです。

しかし、だいたいの相場というものがあり、
建物の滅失登記で言えば、普通の一戸建ての建物1棟でしたら、
だいたい約4万前後~5万円前後が相場となっています。

ちなみに、建物の滅失登記を、
司法書士に依頼することはできませんのでご注意ください。

なぜなら、司法書士という職業の人は、
建物の所有権や抵当権などの権利に関係する登記しかできないからです。

建物の滅失登記というのは、権利に関係する登記ではなく、
簡単に言えば、権利以外の登記となりますので、
土地家屋調査士のみができる登記となっています。

もう少しわかりやすく言えば、不動産の登記では、大きく分けると、
表題に関係する登記と、
権利に関係する登記に分かれています。

不動産の表題に関係する登記とは、漢字が意味しているように、
不動産の表(おもて)に関係するもので、
建物の所在や地番、家屋番号、構造、床面積などの登記のことです。

建物の滅失登記も含まれますが、
これらの表題に関係する登記については、
土地家屋調査士のみが代理人となって申請できることになっています。

たとえ、もし、司法書士に建物の滅失登記を依頼して、
受けていただいたとしても、その司法書士が実際に行う訳ではなく、
知り合いの土地家屋調査士に発注という流れになっているはずです。

なぜなら、司法書士本人が、権利以外の登記(表題部)の申請作業を行うと、
法的な違反となるからです。

そして、その場合には、滅失登記の費用の相場の中でも、
若干高めの費用になることもありえます。

滅失登記の申請については、本来の司法書士の仕事とは違いますので、
費用についても正確に出すことができないため、
少し高めに設定していることもあるからです。

そういったこともありえますので、
滅失登記の申請手続きをすべて依頼しようと思えば、
土地家屋調査士に直接依頼した方が良い場合もあるということです。

いずれにしましても、
滅失登記の費用の相場は、約4万円前後~5万円前後、
建物の規模が大きかったり、棟数が多ければ、
さらに、+1万か+2万といった感じとなります。

スポンサーリンク