土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:建物滅失登記など表示に関する登記全般。
経歴:開業以来21年間、滅失登記など登記に関する業務を行っています。
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建物の滅失登記をしようとする場合、
どこの法務局でも、
滅失登記の申請ができるというわけではありません。
なぜなら、滅失した建物を管轄していた法務局でなければ、
滅失登記の申請を受け付けてもらえないからです。
たとえば、A市B町・・・にある建物が滅失した場合、
A市以外の法務局に滅失登記を申請しても、
受け付けてもらえません。
ただ、法務局には、法務局、地方法務局、
支局、出張所というように、名称が異なり、
規模も異なりますが、すべて法務局であることに違いはありません。
そのため、滅失登記を申請しようとする時には、
その滅失した建物を管轄している法務局がどこなのかを、
事前に調べて特定する必要があるのです。
上記の例のように、A市B町・・・にある建物が滅失した場合、
A市内の建物については、
A地方法務局がすべて管轄しているといった感じになっています。
法務局は、全国の都道府県にいくつかあるのですが、
○○法務局、□□地方法務局、
□□地方法務局△△出張所のように、名称がそれぞれ付いています。
たとえば、A県には、A地方法務局と、A地方法務局B支局と、
A地方法務局C支局と、A地方法務局D支局のように、
1つの県に、4ヶ所の法務局が存在したりします。
その内、滅失した建物の所在地によって、
A地方法務局の管轄なのか、それともB支局、またはC支局の管轄なのかが、
それぞれ法務局側で決められているのです。
もし、滅失した建物がA地方法務局の管轄なのに、
滅失登記をB支局に申請したとしても、
B支局では受け付けてもらえません。
もちろん、C支局や、D支局に申請しても同じことで、
かならず、滅失した建物の管轄法務局になっている、
A地方法務局に申請しなければならないのです。
逆に、滅失した建物の所在地が、
A地方法務局C支局が管轄している建物であれば、
その建物の滅失登記は、
A地方法務局C支局のみに申請できるということになります。
上記については、建物の滅失登記の申請だけでなく、
建物の敷地の所有者からの、建物の滅失の申出についても同じです。
万が一、管轄の法務局以外の法務局で受け付けてもらえたとしても、
登記書類の審査の段階で、提出先の法務局が違うという理由で、
申請や申出が却下されることになります。