建物の滅失登記の申請は、
その建物の所有者本人から申請するのが基本です。
しかし、所有者本人から申請するのが、
いろいろな事情によって難しい場合には、
代理人から滅失登記を申請することができます。
ただ、滅失登記の代理人になれる人というのは、
誰でも良いわけではなく、
そのための資格を持った人でなければなりません。
滅失登記の申請を、代理人として行える人は、
土地家屋調査士という資格を持っている人です。
土地家屋調査士とは、
建物の滅失登記などの登記の表題に関する申請について、
代理人となって、申請できる職業の人です。
滅失登記の申請を、代理人となって申請できる人は、
土地家屋調査士のみとなりますので、
その他の人が、代理人となって業を行うことは違反となります。
つまり、不動産業者や、解体業者が、
建物の滅失登記の申請の代理人になり、
報酬(対価)を得ることを行ってはいけません。
上記のように、不動産業者や、解体業者の人が、
土地家屋調査士の資格も無しに代理行為を行えば、
土地家屋調査士法違反になりますので注意が必要です。
ちなみに、司法書士の資格を持っている人も、
建物の滅失登記などの不動産の表題に関する申請は、
代理人となって、業を行うことはできません。
ただ、司法書士の資格を持っている人は、
不動産の表題に関する申請はできませんが、
不動産の権利に関する申請はすべてできます。
土地家屋調査士は、
不動産の表題に関する登記の申請を、
代理人となって業を行うことができる唯一の国家資格です。
不動産の表題に関する登記の申請には、
建物の滅失登記だけでなく、建物の表題登記、
建物表題変更登記などがあります。
建物の表題登記とは、建物を新築した時に行う登記で、
建物表題変更登記とは、建物を増築した時に行う登記のことです。
そして、不動産の権利に関する登記の申請には、
所有権移転登記や、抵当権設定登記などがあります。
所有権移転登記とは、
売買や相続などによって、不動産を取得したり、
売却したりする時に行う登記のことです。
もし、銀行で住宅ローンなどを組む時には、
抵当権設定登記を行うことになりますので、
その場合には、司法書士の仕事になるわけです。
所有権移転登記や、抵当権設定登記などは、
権利に関する登記なので、
土地家屋調査士が代理人となって、業を行うことはできません。
結局、不動産の登記に関する申請については、大きく分けると、
土地家屋調査士のみができる分野と、
司法書士のみができる分野の、
2つに分かれているということになります。
そして、不動産会社の人や、解体業者などは、
建物の滅失登記の申請について、
代理人として業を行うことはできませんので、注意が必要となります。