建物自体は何年も前に取り壊されているけど、
建物の所有者が、建物の滅失登記をせずに、
建物の登記がそのまま残っていることがあります。

このような場合、実際に建物は無くなっていても、
その建物の滅失登記を申請しない限り、
法務局の建物の登記はずっと残っていることになります。

本来、建物が滅失すれば、滅失してから1ヶ月以内に、
建物の所有者が滅失登記を申請しなければならないのですが、
何もせずに放置していることがあります。

そして、土地の売買など何らかの事情で、
土地の上にある建物の滅失登記が必要になり、
建物の所有者に滅失登記をしてもらう必要が起こることがあります。

もし、建物の所有者とすぐに連絡が取れれば良いのですが、
その建物の所有者がどこにいるのか不明といったこともあります。

つまり、その建物の所有者に滅失登記をしてほしくても、
その建物の所有者の行方が不明で、
連絡が取れないことがあるのです。

そのような場合には、土地の所有者としては、
土地の売却などをすることが難しくなりますので、
非常に困ってしまいます。

そこで、そういった場合には、
建物の所有者が居場所も生死もわからないといった上申書を付けて、
建物の敷地の所有者から、建物が滅失したことを申し出ることが可能です。

ただ、建物の敷地の所有者から滅失登記を申し出る場合には、
登記申請書ではなく、
登記申出書という形で、法務局に申し出ることになります。

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申出書と言っても、申請の場合とそれ程大きく変わるわけではなく、
まず、普通の建物滅失登記申請書のタイトルが、
登記申請書から登記申出書に変わります。

そして、添付書類が普通の滅失登記申請とは違い、
非課税証明が必要になりますので、
申出書の添付書類の箇所に、非課税証明と記入します。

また、滅失登記申請書の場合の申請人の記載が、
申出人という記載に変わり、
敷地所有者の住所と氏名、認印を押すことになります。

そして、その他の記入事項については、
普通の建物滅失登記申請の場合と同じになります。

ただ、敷地の所有者が、建物の滅失登記を申出書で行う場合には、
上記の非課税証明だけでなく、上申書を添付しなければなりません。

上申書とは、すでに建物は取り壊されていて、
その建物の所有者については、現在、居場所も生死もわからないので、
建物の敷地の所有者から、
建物の滅失登記の申出を行いますといった内容の文書です。

上申書の宛ては、法務局長宛ての文書となり、
不動産の表示も記入して、
建物の敷地の所有者が、住所と氏名、認印を押します。

用紙はA4サイズで良く、
すべて黒ペンや黒ボールペンの手書きでもかまいません。

ただ、登記申出書の添付書類の箇所には、
上申書と記入する必要はありません。

建物の敷地所有者から申し出る場合には、
添付書類として記入するのは、
あくまで非課税証明書のみとなります。

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