滅失届とは、建物を取り壊した時や、
建物が火事で焼けた時などに、
地域の市町村の役所に提出が必要な届出書のことです。
建物が滅失する(無くなる)のは、建物を解体工事したり、
取り壊したり、火事で焼けて無くなるなど、
いろいろと原因があります。
いずれの場合であっても、
建物が滅失すれば、そのことを地域の市町村の役所に、
滅失届という書面で知らせなければなりません。
なお、滅失届の提出先は、
建物を管轄している市町村の役所になりますので、
常に、自分が住んでいる地域の市町村の役所とは限りません。
たとえば、自分が関東地域に住んでいたとしても、
自分が所有している名古屋市にある建物が滅失した場合には、
名古屋市の役所に滅失届を提出することになります。
また、役所への滅失届の提出窓口は、
市町村によって課の名称が、市税課、市民税課、資産税課、税務課など、
それぞれの役所で異なっています。
しかし、固定資産税の係りと言えば、
どこの役所でもだいたい共通していますので、
提出窓口がわからない場合には、固定資産税の係りで調べると良いでしょう。
ただ、建物が滅失したからと言って、
常に、滅失届を市町村の役所に、
提出しなければならないわけではありません。
もし、滅失した建物が、法務局で登記されている建物であれば、
市町村の役所に滅失届を提出する必要はありません。
逆に、法務局で登記されている建物が滅失した場合には、
市町村の役所に滅失届を提出するのではなく、
法務局に、建物滅失登記を申請しなければならない点に注意が必要です。
法務局で登記されていない建物については、
登記されている建物と区別して呼ぶために、
未登記建物と呼んでいます。
そして、建物が滅失した場合には、
登記がされている建物と、未登記建物とで、
区別して考えなければなりません。
もっと簡単に言えば、
登記建物(登記がされている建物)が滅失すれば、
管轄法務局に対して、建物滅失登記を申請します。
逆に、未登記建物が滅失すれば、
法務局はまったく関係が無く、
滅失した建物を管轄している市町村に対して、滅失届を提出します。
なお、滅失届の用紙については、
それぞれの市町村の固定資産税の係りで備えていますが、
市町村の窓口に行く前に、
固定資産税の係りに電話で確認しても良いかもしれません。
役所によっては、わざわざ市町村の窓口に出向いて、
滅失届を提出しなくても、
電話で建物が滅失したことを伝えるだけで良い場合もあるからです。
本来は、滅失届を提出しなければならないのですが、
市町村の固定資産税の係りとしては、
建物が滅失した事実がわかれば良いので、
電話連絡だけで良いと判断してもらえることもあるからです。
建物が滅失した知らせを、滅失届か、電話などで受ければ、
市町村の固定資産税の係りは、次年度の固定資産税などについて、
修正・削除などの手続きを行う流れになります。