土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:建物滅失登記など表示に関する登記全般。
経歴:開業以来21年間、滅失登記など登記に関する業務を行っています。
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建物が滅失する原因としましては、
古くなったことによる取り壊しや、
解体移転、火事による焼失、地震による倒壊などがあります。
ただ、建物が滅失した原因が何であったとしても、
建物が無くなったことに変わりがなければ、
建物が滅失したと言えます。
そのため、法務局で登記されている建物が滅失した場合には、
その建物を管轄している法務局に対して、
建物の所有者が申請人となって、滅失登記を申請しなければなりません。
そして、滅失登記の申請書には、
登記原因を記載すべき個所があり、
そこには、建物が無くなった原因を記載することになります。
実際の原因は、取り壊しや解体移転、地震による倒壊などが考えられますが、
滅失登記の申請書の登記原因の欄には、
『取壊し』と記載します。
また、火災によって焼けて無くなった場合には、
滅失登記の申請書の登記原因の欄には、
『焼失』と記載します。
なお、滅失登記の申請書の登記原因の欄には、
登記原因だけでなく、その日付も記載する必要がありますので、
原因が『取壊し』であっても、『焼失』であっても、その日付を記載します。
具体的には、『平成○○年○月○日取壊し』や、
『平成○○年○月○日焼失』というふうに記載するのです。
ただ、建物が滅失したのが最近のことで、
滅失した原因や、その日付がはっきりとわかっていれば良いのですが、
数年、十数年以上前に滅失した建物の場合には、
滅失した日付までわからないこともあります。
そういった場合には、『昭和○○年○月日不詳取壊し』や、
『昭和○○年月日不詳取壊し』、『年月日不詳取壊し』
といった記載でもかまわないことになっています。
さらに、日付だけでなく、滅失の原因についてもわからないこともあります。
その場合の登記申請書の登記原因およびその日付欄には、
単に『不明』と記載することでかまいません。
なお、登記申請書に記載する滅失の原因やその日付については、
建物滅失証明書にも記載する必要があり、
その滅失の原因や日付と一致していることが必要です。
取り壊し業者からもらう建物滅失証明書によって、
登記申請書に記載された滅失の原因と日付を、
証明している形になっているからです。
ただ、滅失登記申請で重要なのは、
建物が本当に滅失しているのかどうかですので、
滅失の原因とその日付については、それほど重要というわけではありません。