土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:建物滅失登記など表示に関する登記全般。
経歴:開業以来21年間、滅失登記など登記に関する業務を行っています。
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亡くなった所有者の代わりに、建物の滅失登記の申請を、
その相続人から申請することがあります。
その時に、亡くなった所有者の住民票や、
その相続人の住民票は必要なのかどうか、
質問される人も多いです。
まず、亡くなった人の戸籍と、
亡くなった人の住民票の除票か、もしくは戸籍の附票と、
相続人の戸籍については、法務局に提出する必要があります。
戸籍の附票とは、
戸籍に記載されている人の住所の一覧のようなもので、
住民票と同じく、市役所から発行される公的な書面のことです。
戸籍の附票については、戸籍を取得する時に、
同時に取得できるものなので、
戸籍を取得して、住民票も取得するよりは、効率的かもしれません。
そして、亡くなった人の住民票の除票か、戸籍の附票が必要な理由は、
登記簿に記載されている建物の所有者かどうか、
つまり、同一人物であるかどうかを法務局が確認するためです。
登記簿には、建物の所有者の住所と氏名の記載があり、
氏名だけでは、同姓同名の人も結構いますので、
住所と、氏名の2点で確認しているということです。
そのため、滅失登記を相続人から申請する時には、
相続人の住民票までは必要とされていません。
なぜなら、滅失登記がされれば、
その建物の登記簿は閉鎖されるものですので、
申請人となる相続人の住所がどこかに記載されるわけでもないからです。
ただ、相続人ではない人からの申請はだめですので、
建物の所有者と、その相続人のつながりのわかる戸籍については、
かならず、法務局に提出することになっています。
滅失登記を申請する時、相続人の住民票は必要ありませんが、
建物の所有者が亡くなっているのであれば、
亡くなった人の住民票の除票か、戸籍の附票は必要になります。
なお、たとえ、所有者の戸籍や住民票などの書類を提出する時でも、
滅失登記の申請書の添付書類の記入欄には、
戸籍や、住民票などと記入する必要はありません。
相続関係の書類を全部ひっくるめて、
『相続証明書』と記入することになります。
つまり、相続人から滅失登記を申請する場合には、
申請書の添付書類の欄には、
『取り壊し証明書』と、『相続証明書』と、記入することになります。
ただ、取壊し証明書(または滅失証明書)を、
取り壊し業者が不明で取得できない場合もあり、
その場合には、『相続証明書』のみを記入することになります。
相続関係の書類については、
取得できないということはありえませんので、
かならず、亡くなった所有者の戸籍や住民票の添付が必要です。
ちなみに、住民票や、住民票の除票については、
亡くなった人の住所地の役所で取得できますが、
戸籍については、かならずしも住所地の役所で取得できるわけではありません。
戸籍を取得するためには、戸籍の本籍を知っている必要があり、
その戸籍の本籍地の役所でのみ、
取得できるものとなっています。
そして、もし、亡くなった人の住所地の役所と、
戸籍の本籍地の役所が同じであれば、
同じ役所で、住民票も、戸籍も取得できるということになります。
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