土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:建物滅失登記など表示に関する登記全般。
経歴:開業以来21年間、滅失登記など登記に関する業務を行っています。
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建物の滅失登記を法務局に申請するには、
不動産登記法で定められている様式で、
申請書を作成しなければなりません。
基本的に、申請書については、
A4サイズの丈夫な用紙と決まっていますので、
B5やA3サイズの用紙ではだめです。
また、長期的な保存ができる紙質であることが求められていますので、
和紙などの薄くてやぶれやすい紙は、あまりお勧めしません。
現在、印刷用紙として売られている普通紙であれば、
通常は問題ありませんが、
文具店などでは、少し厚めの上質紙も売られています。
そして、現在では、パソコンで申請書を作成して、
印刷するという流れが主流となっていますが、
白紙の用紙に、ボールペンなどで申請書を作成することも可能です。
つまり、パソコン上で申請書を作成することが多いですが、
ボールペンですべて手書きの申請書でも良いということです。
ただ、白紙の用紙に、ボールペンなどで申請書を作成する時には、
黒色インクか、黒色ボールペンを使用して作成し、
鉛筆はだめです。
重要な書面へのサインや署名などと同じように、
鉛筆ではすぐに消えますので、
申請書でも使用が認められていません。
以上が、滅失登記の申請書を作成する上で、
基本的な注意事項になります。
滅失登記の申請書を作成する前に準備するものは、
もし、パソコン内で作成する時には、
パソコンと印刷機と用紙が必要になります。
滅失登記の申請書を、定められた様式で作成して、
それを印刷することになるからです。
そして、もし、手書きで申請書を作成する時には、
上質で長期的な保存ができる用紙(普通紙以上)と、
ボールペンか、黒色インク、認印を用意します。
また、申請書に押す印鑑については、
認印でも、実印でも、どちらでもかまいませんが、
実印は大事なものですので、認印を使用することをお勧めします。
なお、滅失登記の申請書は、
昔は縦書きで作成していましたが、
現在では横書きとなっている点に注意が必要です。
少し古めの書籍などを参考に見ていると、
昔の縦書きの様式で解説されていますが、
平成17年頃の不動産登記法等の大改正によって、
現在は、申請書については縦書きから横書きに変更されています。
また、申請書を作成できれば、
後は、滅失証明書や案内図などの書類が必要になりますが、
法務局の窓口に提出する時には、すべてホッチキスで綴じる必要があります。
綴じる順番としましては、一番上に滅失登記の申請書、
次に、案内図、滅失証明書、その他の書類などがくるように綴じます。
綴じ方としましては、用紙の左側をホッチキスで綴じます。
昔は、B4横サイズの縦書きでしたので、用紙の右側に穴をあけて、
ひもで綴じるという方法もありましたが、今はホッチキスで左綴じです。
また、代理人が建物の滅失登記を申請する時も、
基本的に上記の内容と同じですが、
添付書類として、委任状が追加で必要になってきます。
本来、建物の所有者が滅失登記の申請人となるべきなのですが、
場合によっては、土地家屋調査士などの代理人に依頼することもあり、
その場合には、代理人に委任する内容の委任状が必要になるのです。