
国家資格:土地家屋調査士・行政書士。
専門分野:建物滅失登記など不動産の表示登記全般。
職務経歴:開業後23年間、建物滅失登記など現場の実務に基づき、数多くの問題を解決しています。
[土地家屋調査士 寺岡孝幸の実績・プロフィールはこちら]

国家資格:土地家屋調査士・行政書士。
専門分野:建物滅失登記など不動産の表示登記全般。
職務経歴:開業後23年間、建物滅失登記など現場の実務に基づき、数多くの問題を解決しています。
[土地家屋調査士 寺岡孝幸の実績・プロフィールはこちら]
「建物を取り壊したけれど、滅失登記は後回しでいいかな?」
「登記をしなくても、今すぐ困ることはないし…」
そう思っていませんか?
実は、建物滅失登記の放置は、不動産売却の失敗や、
子供世代への「相続トラブル」の火種になります。
さらに法律上、10万円以下の過料(罰金)というペナルティも定められているのです。
この記事では、建物滅失登記の申請業務を行っている土地家屋調査士が、
滅失登記を放置することで発生する「取り返しのつかないデメリット」と、
後回しにするとどれだけ損をするのかを、実務の事例を交えて解説します。
この記事を読めば、今すぐ登記をすべき理由がわかり、
将来の大きな損失を未然に防ぐことができます。
文字で読むより、動画の方が10倍早く理解できます。
「建物滅失登記をしないとどうなる?5つのリスクと過料10万円」を動画にしました。
まずは一度、下記動画の中央の再生ボタンを押してください。
動画「建物滅失登記をしないとどうなる?5つのリスクと過料10万円」は、
このすぐ下の記事に、くわしくまとめてあります。
見落としがないか確認しながら、このまま読み進めてください。
建物滅失登記は、不動産登記法第57条により、
建物が滅失した日から1ヶ月以内に申請することが義務付けられています。
不動産登記法第五十七条(建物の滅失の登記の申請)
建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。
引用元: e-Gov法令検索.「不動産登記法 」. (参照 2026-05-12)
もし、建物が滅失しているにもかかわらず、建物滅失登記をしないで放置すると、
不動産登記法第164条により、「10万円以下の過料」に処される可能性があることを、
まずは正しく認識しましょう。
不動産登記法第百六十四条(過料)
第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項、第四十二条、第四十七条第一項(第四十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第一項、第三項若しくは第四項、第五十一条第一項から第四項まで、第五十七条、第五十八条第六項若しくは第七項、第七十六条の二第一項若しくは第二項又は第七十六条の三第四項の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する。
引用元: e-Gov法令検索.「不動産登記法 」. (参照 2026-05-12)
ただ、実務上では、数年前に取り壊した建物の滅失登記を法務局に申請しても、
10万円以下の過料に処せられたという事例は、今の所聞いたことが無いので、
建物が滅失してから1ヶ月以上経過していても、速やかに滅失登記を行いましょう。
更地にして売ろうとしても、登記簿上に「存在しない建物」が残っていると、
買主は、銀行の住宅ローン審査に通りません。
上記のような事態にならないためにも、土地を売却する際には、
土地の上に、現地に存在しない建物の登記が残っていないかどうかを、
法務局で確認しておくのが、土地売却時の基本的な流れとなっています。
市区町村役所の資産税課の担当者は、通常、現地調査を行っていますが、
稀に建物の登記が残っていることで、「建物が存在する」とみなされ、
取り壊したはずの建物の固定資産税が、課税され続けるケースがあります。
建物滅失登記を法務局で行うことで、法務局から管轄の市区町村役所に、
建物の滅失登記が行われたことが通知されますので、
翌年からは、取り壊した建物の固定資産税はかからなくなるのです。
なお、「今年は払ったけど、来年はどうなる?」とご心配の方もおりますが、
建物を解体した年は、建物があってもなくても、毎年1月1日時点の判断になるため、
建物を解体した年の分の固定資産税は、払う必要があります。
逆に、建物滅失登記を何年もしないで放置したため、
取り壊したはずの建物の固定資産税を、気付かずに何年も払い続けてしまうと、
一度払った税金を取り戻すのは、非常に困難になります。
建物滅失登記をしないで放置してしまうと、建物の所有者が亡くなった後で、
その相続人に手間と費用が余分にかかってしまうことが、最も深刻な問題です。
具体的には、建物の所有者が亡くなった後に、建物滅失登記の放置が発覚すると、
次の負担が、建物の所有者の子供又は孫にのしかかります。
特に地方では、現地にすでに無い建物の登記だけが法務局に残っていて、
「数代前の亡くなった人の名義のまま」という状況がよくあるので、注意が必要です。
昔の所有者名義のまま建物の滅失登記をしないで放置され、
その人が行方不明や認知症になっている場合、
通常の建物滅失登記の申請は不可能です。
現地に建物が無く、建物の登記だけが残っていて、
その建物の所有者が行方不明の場合には、登記申請ではなく、
建物の敷地の所有者から、建物滅失登記の申出を行う方法があります。
たた、建物滅失登記の申出を敷地所有者から行う際には、
登記申請書の代わりに登記申出書が必要となり、
建物の非課税証明書や上申書なども必要になります。
取壊した建物の滅失登記をせずに、登記簿上の記録を残したまま放置すると、
同じ敷地内に新築した建物の表題登記がスムーズに行えず、
登記が二重に存在してしまう(不動産登記法上の問題)ため、受理されない可能性があります。
具体的には、古い建物の滅失登記をせずに建て替えを行った場合、
登記所では「建物がまだ存在している」とみなされるため、
新築建物の表題登記において、敷地や建物番号の重複チェックなどでトラブルになるということです。
そして、新築建物の登記が完了しないと、ローン借入の抵当権設定登記ができず、
住宅ローンの融資実行が不可能、又は大幅に遅れるといった重大なトラブルが発生する可能性もあります。
建物滅失登記を放置して「得すること」は一つもありません。
むしろ、時間が経てば経つほど、解決のための費用と労力は雪だるま式に増えていきます。
「自分でやれば、数万円の土地家屋調査士費用を節約できる」今のうちに、
サクッと終わらせてしまいましょう。
なお、建物滅失登記の全体的な流れと全手順については、
「【5万円節約】建物滅失登記の流れと全手順を解説!自分でする方法」で、
くわしく解説しています。
もし、建物滅失登記を自分でできるかどうかご心配の方は、
「建物の滅失登記は自分でできる?費用や必要書類は?」をご参照いただき、
建物滅失登記を自分でする方法については、
「建物の滅失登記を自分でする方法」をご参照ください。
また、当事務所では、高知県を中心に建物滅失登記の代行業務を行っておりますので、
「高知県の建物滅失登記にお困りではありませんか?」をご確認下さい。
なお、自分でやりたいけれど、できるだけスムーズにやりたいという方のために、
【約5万円節約】建物滅失登記を自分でする申請支援Excelファイルも提供しております。
このページを読んだ人は、次の関連性の高いページも読んでいます。
コメント