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土地家屋調査士が建物滅失登記の手続き・費用・必要書類など徹底解説。実務に基づき専門家が解決します
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家屋滅失届と建物滅失登記の違いとは?未登記建物を解体した時の正しい対処法

2026 5/20
未登記建物の解体・家屋滅失届
2026年5月20日
この記事を監修した専門家
土地家屋調査士寺岡孝幸の顔写真
土地家屋調査士 寺岡孝幸

国家資格:土地家屋調査士・行政書士。
専門分野:建物滅失登記など不動産の表示登記全般。
職務経歴:開業後23年間、建物滅失登記など現場の実務に基づき、数多くの問題を解決しています。
[土地家屋調査士 寺岡孝幸の実績・プロフィールはこちら]

建物を取り壊した時や、火事などで不運にも焼失してしまった時に、
その後の手続きを調べていると、必ず目にするのが、
「家屋滅失届(かおくめっしつとどけ)」と、
「建物滅失登記(たてものめっしつとうき)」という2つの言葉です。

家屋滅失届は、建物滅失届や、単に滅失届とも言われ、
建物滅失登記は、単に滅失登記と言われることもあります。

文字の並びが非常に似ているため、あまり登記や法律に詳しくない一般の方にとっては、
「自分は一体どちらの手続きをすれば良いのか?」
「役所と法務局、どちらに行けば正しいのか?」と混乱してしまうのが普通です。

実は、これらは名前こそ似ていますが、「提出先」も「対象となる建物」も、
まったく異なる別の手続きです。

もしこの選択を間違えて、必要な手続きを放置したり、
間違った窓口に提出したままにしてしまうと、解体して存在しないはずの建物に対して、
翌年以降も固定資産税がかかり続けたり、将来土地を売却しようとした際に、
売買契約が白紙に戻ってしまうといった重大なトラブルに発展してしまいます。

そこでこの記事では、建物滅失登記の申請業務を行っている土地家屋調査士が、
「家屋滅失届」と「建物滅失登記」の決定的な違いから、それぞれの正しい提出先、
ご自身の建物がどちらに該当するかの見分け方、未登記建物を解体した際の対処法まで、
初めての方にも分かりやすく徹底解説します。

この記事さえ読めば、あなたがどちらの窓口に向かうべきかが、完全に分かります。

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目次

家屋滅失届と建物滅失登記の決定的な違い(比較表付き)

「家屋滅失届」と「建物滅失登記」は、どちらも、
「建物が物理的に無くなったこと」を公的機関に知らせる手続きですが、
その中身は完全に異なります。

一般の方が手続きを進める上で、最も重要な違いを分かりやすく比較表にまとめました。

比較項目 家屋滅失届(めっしつとどけ) 建物滅失登記(めっしつとうき)
対象となる建物 未登記建物
(法務局に最初から登記がない建物)
登記建物
(法務局に登記簿が存在する建物)
家屋番号の有無 個別の家屋番号がない
(※納税通知書に番号の記載がない)
個別の家屋番号がある
(※納税通知書に「〇番〇」と記載がある)
主な手続き先 建物の所在地を管轄する
市区町村の役所(固定資産税の係)
建物の所在地を管轄する
法務局(登記所)
手続きの目的 役所の課税台帳を修正し、
「固定資産税の課税」を止めるため
国の不動産登記簿を完全に抹消し、
「建物の存在」を法的に無くすため
申請の期限 法律上の明確な期限はなし
(※放置すると翌年も課税される)
建物滅失の日から
1ヶ月以内(不動産登記法上の義務)
放置のリスク 存在しない建物に対して、無駄な固定資産税がずっとかかり続ける。 10万円以下の過料(罰則)の対象。
土地の売却や担保設定ができなくなる。

このように、手続きの違いを決定づける最大の分かれ道は、
解体した建物が「法務局に登記されている建物だったかどうか
(個別の家屋番号があるかどうか)」という点です。

法務局に登記されていない建物であれば、役所の管轄になり、
法務局に登記されている建物であれば、法務局の管轄になります。

これを基準にして、それぞれの詳細な中身と実務的な注意点を確認していきましょう。

そもそも「家屋滅失届」とは何か?(未登記建物の手続き)

家屋滅失届とは、建物を取り壊した時や、建物が火事で焼けて無くなった時などに、
その建物の存在を管理している地域の市区町村役所に、提出が必要な届出書のことです。

家屋滅失届は、建物滅失届という名称になっている市区町村役所もありますが、
意味や目的は、家屋滅失届も建物滅失届も同じです。

建物が滅失する、つまりこの世から消えてしまう原因には、
古くなった家を解体した、建て替えのために建物を取り壊した、
あるいは、不運にも火事で焼けて無くなるなど、色々と原因があります。

いずれの場合であっても、建物が無くなったのであれば、その事実を、
地域の市区町村の役所に、「家屋滅失届」という書面か、電話で知らせなければなりません。

なぜなら、役所は基本的に、この届け出や連絡を受け取ることで、
その建物に対する固定資産税の課税を止める手続き(修正・削除)を行えるからです。

家屋滅失届はどこに提出する?(自分が住む役所とは限らない)

家屋滅失届の提出先は、「建物を管轄している市区町村の役所」になります。

そのため、常に自分が現在住んでいる地域の市区町村の役所とは限らないのです。

たとえば、ご自身が関東地域に住んでいたとしても、
自分が所有している不動産や、親から名義が変わった実家が、
「愛知県名古屋市」や「高知県高知市」にある場合を考えてみましょう。

その名古屋市や高知市にある建物が滅失した場合には、
現在お住まいの地元の役所ではなく、建物の所在地である名古屋市役所や、
高知市役所に家屋滅失届を提出することになります。

つまり、自分が住んでいる場所は全く関係がなく、
その滅失した建物が、「どこに存在しているのか」という土地の場所が重要なのです。

役所の窓口はどこ?(固定資産税の係を目指す)

家屋滅失届の役所への提出窓口は、市区町村役所によって、
市税課、市民税課、資産税課、税務課など異なっています。

役所の庁舎に行ったり、電話をかけたりする際に、
どの課に向かえば良いか、わからないという方も少なくありません。

しかし、わざわざ事前に課の名称を調べる必要はありませんので、
「固定資産税の係」という言葉だけを覚えて、
そのまま窓口や電話で尋ねるのが、最もスムーズです。

役所によっては、電話連絡だけで済むケースもある

家屋滅失届の用紙は、各市区町村の固定資産税の係で備えていますが、
市区町村役所の窓口にわざわざ足を運ぶ前に、
固定資産税の係に電話で確認してみることをお勧めします。

なぜなら、役所によっては、市区町村役所の窓口に出向いて、
紙の家屋滅失届を提出しなくても、
電話で建物が滅失したことを伝えるだけで良い場合もあるからです。

本来は、家屋滅失届という書面を提出しなければならないのですが、
市区町村の固定資産税の係としては、次年度からの正しい税金計算のため、
「建物が滅失した事実」さえしっかりと確認できれば良いため、
電話連絡だけで良いと判断してもらえることもあるのです。

電話連絡を受けた後、固定資産税の係の担当者が、現地を調査するなどして、
次年度の固定資産税などについて、修正・削除の手続きを行う流れになります。

登記された建物に家屋滅失届は不要?(法務局の手続き)

ここまで、市区町村役所への家屋滅失届について詳しく解説してきましたが、
建物が滅失したからと言って、常に、市区町村役所に、
家屋滅失届を提出しなければならないわけではありません。

もし、滅失した建物が、法務局で登記されている建物であれば、
市区町村の役所に、建物滅失届を提出する必要はありません。

逆に、法務局で登記されている建物が滅失した場合には、
市区町村役所に家屋滅失届を提出するのではなく、国機関である法務局に、
建物滅失登記を申請しなければならないという点に注意が必要です。

法務局で登記されていない建物については、
登記されている建物と区別して呼ぶために、「未登記建物」と呼んでいます。

そして、建物が滅失した場合には、登記がされている建物と、
未登記建物とで、区別して考えなければなりません。

もっと簡単に言えば、登記建物(登記がされている建物)が滅失すれば、
管轄法務局に対して建物滅失登記を申請します。

逆に、未登記建物が滅失すれば、法務局はまったく関係が無く、
滅失した建物を管轄している市区町村役所に対して、
家屋滅失届を提出するか、電話連絡するというルールになっているのです。

なぜなら、法務局に建物滅失登記を申請して登記手続きが完了すると、
その情報は、法務局から各市区町村役所の固定資産税の係に、
自動的に通知される仕組みになっているからです。

そのため、登記されている建物については、法務局の手続きさえ行えば、
市区町村役所への「家屋滅失届」の提出や、電話連絡は、不要になるというわけです。

「登記されている建物」と「未登記建物」の確実な見分け方

建物が取り壊された際、その建物が「登記されている建物」なのか、
「登記されていない未登記建物」なのか、
一般の方には判断が難しいケースが多々あります。

これらを区別する最も確実で実務的な見分け方を解説致します。

固定資産税の納税通知書で「家屋番号」を確認する

まず、法務局で登記がされているかどうかの違いですが、その見分け方としては、
滅失した建物に「家屋番号(かおくばんごう)」が付いているかどうかによって、
登記がされているかどうかがわかります。

建物に家屋番号が付いていれば、その建物は法務局で登記がされている建物と言えます。

逆に、建物の家屋番号が無ければ、その建物は法務局で登記されていない建物と言えるのです。

次に、建物の家屋番号の具体的な調べ方ですが、
毎年4〜5月頃に役所から送られてくる「固定資産税の納税通知書(課税明細書)」に、
建物の所在地番と一緒に、家屋番号も記載されているかどうかで確認することができます。

もし、建物の記載箇所に家屋番号も記載されていれば、
その建物は登記されている建物と言えます。

逆に、固定資産税の納税通知書(課税明細書)の建物の家屋番号欄に、
家屋番号の記載が無い場合や、「未登記」や「未登記建物」という記載がある場合、
その建物は、登記されていない建物(未登記建物)と言えるのです。

家屋番号の有無による次のステップ

家屋番号の有無を確認した結果、家屋番号の記載がない未登記建物の場合は、
滅失した建物を管轄している市区町村役所(固定資産税の係)に、
家屋滅失届を提出するか、又は、電話連絡を行います。

逆に、家屋番号の記載がある建物の場合は、その滅失した建物を管轄している法務局に、
建物滅失登記を申請しなければなりません。

なお、建物滅失登記の申請についても、どこの法務局に申請しても良いわけではなく、
必ず滅失した建物を管轄している法務局に、申請しなければなりません。

未登記建物を解体・処分する際の正しい対処法と注意点

では、解体した建物が「未登記建物」だった場合、
具体的にどのような手順で対処すれば良いのでしょうか。

実務上の対処法と注意点をまとめました。

未登記建物の解体後に提出する家屋滅失届の書き方と必要書類

未登記建物の解体処分が終わったら、管轄の市区町村役所の固定資産税の係へ、
まずは電話連絡するか、固定資産税の係りの窓口に「家屋滅失届」を提出します。

用紙は、役所のホームページからダウンロードするか、窓口で直接取得できます。

記入する主な内容は、建物の所有者の住所・氏名、建物の所在地番、
構造、床面積、そして「解体完了の日付」です。

提出の際、役所によっては確実に解体された証拠として、
「解体業者から発行される建物滅失証明書(取壊し証明書又は解体証明書)」や、
「解体後の更地の写真」の添付を求められるケースがあります。

そのため、スムーズに税金を止めるためにも、
解体業者から貰う書類は、必ず手元に保管しておきましょう。

過去に解体したのに、固定資産税が下がらない場合の解決策

「数年前に建物を取り壊したはずなのに、なぜか今でも、
固定資産税の納税通知書(課税明細書)にその建物が載っていて、
税金を取られ続けている」というご相談を受けることがあります。

この原因のほとんどは、市区町村役所への「家屋滅失届」の提出か、
電話連絡を忘れていたことにあります。

市区町村役所は、法務局からの通知や、所有者からの届出、あるいは、
数年に一度の航空写真調査などでしか、通常、建物の消滅を把握できません。

もし、家屋滅失届の提出や電話連絡を忘れて、課税され続けていた場合は、
すぐに市区町村役所の固定資産税の係へ連絡し、過去に解体した事実を証明できる書類、
たとえば、当時の解体契約書や領収書、取り壊し証明書などを提示してください。

市区町村役所の担当者が現地を調査し、過去に遡って建物がなかった事を確認できれば、
払いすぎていた固定資産税が還付(返金)される可能性があります。

家屋滅失届の手続きを忘れると、ペナルティや過料はあるか?

法務局へ申請する「建物滅失登記」の場合は、不動産登記法によって、
「建物が滅失した日から1ヶ月以内に申請しなければならない」と定められており、
これを怠ると、10万円以下の過料に処される可能性があるという明確なルールがあります。

一方で、未登記建物の「家屋滅失届」については、提出が遅れたからといって、
直ちに罰金や過料といったペナルティが科されるケースは、原則としてありません。

しかし、手続きを怠れば、「存在しない建物に無駄な税金を払い続ける」という、
金銭的に最大の大損失を被る可能性が高くなります。

市区町村役所に家屋滅失届の提出、又は電話連絡をしなかった実質的なペナルティは、
自分自身の負担として跳ね返ってくる場合があるため、解体後は速やかに、
建物を管轄する市区町村役所での手続きを行うのが大事です。

まとめ:建物が滅失したら、まずは正しい確認から

家屋滅失届と、建物滅失登記の決定的な違いについて、最後に重要なポイントをまとめます。

  1. 家屋滅失届は、登記がされていない「未登記建物」を解体・焼失した時に、
    翌年の固定資産税の課税を止めるために、市区町村役所(固定資産税の係)へ提出、
    または電話連絡するもの。
  2. 建物滅失登記は、登記がされている「登記建物」を解体・焼失した時に、
    法律で定められた1ヶ月以内の申請義務に基づいて、法務局へ正式に申請するもの。
  3. 建物がどちらに該当するか迷った時は、毎年春に届く固定資産税の納税通知書を開き、
    建物の家屋番号欄に、「家屋番号」が載っているかどうかを見るだけで一発で判別できる。

もし、手元の書類を確認した結果、建物に家屋番号の記載があり、
法務局で「建物滅失登記」が必要だと分かった場合の流れと手順については、
「建物滅失登記の流れと全手順!自分でする未登記確認~必要書類~完了まで網羅」
でくわしく解説しています。

逆に、取り壊した建物に家屋番号の記載がない場合には、
「未登記建物の解体時に建物滅失登記は必要?家屋滅失届で固定資産税を止める方法」
をご参照ください。

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